初心者向けIllustrator講座その② ~ライブペイントツールの使い方編~
目次
はじめに
前回はペンツールの使い方を中心に記事を書きましたが、今回はライブペイントツールの使い方になります。
その中でもIllustratorでの塗りは大きく分けて
①線で描き、塗りはライブペイントで
②面で描く
の2通りあるのですが、今回は①の塗り方を説明いたします。
(パーツごとに分けてアニメーションなどを作成したい場合は、①の塗り方が良いです)
●線画を複製する
Windowsに入っているペイントのように、このままバケツツールで色を塗る・・・ということはできません。
この線画を一度「ライブペイント化」してからではないとライブペイントツール(バケツツール)で色を塗ることができないのです。
線画を一度ライブペイント化しても解除をすることはできるのですが、念のためライブペイント化前の線画を別のレイヤーに複製しておくことをお勧めします。
①選択ツールを選んで、線画全体を囲うようにドラッグで選択
②「Ctrl」「C」キーを同時押しで「コピー」
(※「Ctrl + C」でコピーするのも多用するので覚えましょう!ちなみに、Ctrl+Xは「カット(切り取り)」になります。)
③レイヤーパネル右下のアイコン(ゴミ箱の左隣)で、新規レイヤーを追加
④追加したレイヤーを選んだ状態で「Ctrl」「F」キーを同時押し
(※わかりやすくするため、レイヤー2は一旦非表示にしています)
「Ctrl + F」でコピー元のものと「同じ位置にペースト」することができます。
「Ctrl + V」でもペーストすることができますが、コピー元とは違う位置にペーストされるので、同じ位置にペーストしたい場合は「Ctrl+F」を使いましょう。
これで線画をコピーすることができました。
実は、レイヤーそのものを複製することもできます。
レイヤーパネルの「レイヤー○○」と書いてある部分を、「Alt」キーを押しながら上へドラッグすると、同じレイヤーを複製することができます。
(※今回は線画と影用の線画の2枚のレイヤーを1枚のレイヤーに複製したかったためこうしました)
(ここの画面もスクショしたかったのですが、手の本数が足りずできませんでした・・・)
今コピーしたレイヤー4を非表示にして、コピー元のレイヤー2,3を表示に戻しておきましょう。
●ライブペイント化
さて、いよいよ塗りに入ります! ・・・の前に「ライブペイント化」をしましょう。
・・・・・・の前にもう1つ、やることがあります。 ライブペイント化した後にもできるのことなのですが、先にやった方が楽だと思います。
ファンくんの影の部分を、赤いペンで描きましたよね? あれは、線画の色を「なし」にするための目印です。
①選択ツールで赤い線画だけを選ぶ (レイヤー2をロックして全体を選択すればレイヤー3の赤い線画だけ簡単に選べます。)
(全体を囲わなくても、ドラッグしてできる四角形に少しでも線画が重なっていれば選択することができます。 また、複数箇所選択する場合は、「Shift」キーを押しながらドラッグしてください。)
②ツールバーの下の方にある2つの四角形のうち、右下の方(線の色)が手前に出ている状態(奥に出ていたら、クリックすると手前に出ます)で、その下に並んでいる3つの小さい四角形のうち右のものをクリックする
この小さい四角形は、左から「カラー」「グラデーション」「なし」となります。今回は「なし」を選択します。
これで線画の色がなしになりました。
(余白をクリックして選択を解除してみれば、色が無いことがわかります。)
さて、今度こそライブペイント化していきます。
①選択ツールを選んで、線画全体を囲うようにドラッグで選択
このレイヤーに、この線画以外に描いていないものがあれば、「Ctrl」「A」キー同時押し(そのレイヤーのものをすべて選択)でもよいです!
②上から「オブジェクト」→「ライブペイント」→「作成」を選択します。
これでライブペイント化が完了です!
見た目には変わっていないように見えますが、選択すると全体がいっぺんに選択される(グループ化されている)のと、枠の四角形が少し変わります。
●ライブペイントツール
さて、準備が終わってようやく色を塗ります!
①ツールバーから「ライブペイントツール」を選択します。
隠れていたらクリック長押しで出しましょう。
これがライブペイントツールです。試しにマウスカーソルをどこかに乗せてみましょう。
おお!!塗る範囲が見えます!!!
・・・ちなみに、見えない場合や塗りたい範囲より大きくなって仕舞う場合は、線画がちゃんと閉じていないので、線画を調整しましょう。
選択ツールで選択した状態で「オブジェクト」「ライブペイント」「解除」を選択して線画を調整し直しましょう。
塗ってから解除すると、塗った部分の色も無くなってしまうので、線が繋がっていないことには早めに気づいておきたいですね。
一応、線画をダブルクリックしたあとに調整したい線画を選べば、ペンツールで書き足したりなどの調整をすることもできます。
さて、線画が繋がったら塗りましょう。 今は「塗り」が「なし」になっているので、色を選びましょう。
②ツールバーの下の方の2つの四角形のうち、左上のものをダブルクリック、カラーピッカーから塗りたい色を選ぶ
うまく目当ての色が選べない・・・という場合は、画像をウェブ上や自分のフォルダに用意したものをコピーして貼り付けてスポイトするのもありです。
画像のペーストは、画像をコピーした状態で「Ctrl + V」、フォルダから貼る場合には直接ドラッグ&ドロップです。
スポイトツールはツールバーから選択できますが、
ライブペイントツール選択中なら「Alt」キーを押している間はスポイトツールになるので覚えておきましょう。
スポイトツールで選びたい色の部分をクリックすれば、色を選ぶことができます。
(資料に使った画像はDeleteキーで消すなり別の所に避けておくなりしましょう)
今度こそ塗ります!
③ライブペイントツールで、塗りたいところをクリック
塗れました~~~ッ!!!!
良い感じです!
これを繰り返してすべての色を塗りましょう。
ちなみに、この部分のように、区切られているけど同じ色に塗りたいという場合はドラッグでいっぺんに塗れます。
これを繰り返して・・・ 完成!!!!
・・・え?何か物足りないですか?
ファンくんのつやっとした質感を表す光を付けたい??
・・・ではせっかくなので、追加でもっと塗りたい場合のことも教えましょう!
●追加でライブペイント化する
後から光や影を追加したいという場合には、再度ライブペイント化して塗れるようにすればよいのです。やってみましょう。 (こちらの光なしバージョンも、念のため複製して別レイヤーに残しておきます)
①光を付けたいレイヤーをロックし、新しいレイヤーを用意する
(この作業はなくてもいいですが、あとでまとめて光用の線画を選択する時に便利です)
②新しいレイヤーに、光の線をペンツールで描いていく
この辺りは感覚ですね・・・ペンの色は何色でも良いですが、わかりやすいものがよいでしょう。
この時、元の線画と交差する(くっつく)ようにするのもポイントです。隙間ができると塗れませんので!
はみだしてもよいです。
③選択ツールですべてを選択し、線の色を「なし」にする 選択しているものがすべて同じ色でない場合は、「?」アイコンになりますが、気にせず色をなしにしましょう。
④「Ctrl + X」でカットし、さっき色を塗った絵のあるレイヤーに「Ctrl + F」で同じ位置にペースト
「Ctrl + V」ではなく「Ctrl + F」なのがポイントです。
レイヤーが違うと、選択したときの線の色が違うことに気付いたでしょうか。
レイヤーパネルのロックアイコンの右隣にある色がそのレイヤーのカラーになります。
もし線画と同じ色で見づらい、などありましたら、レイヤーパネルでそのレイヤーのサムネイルをダブルクリックすると変更することができます。
⑤色を塗った絵とペーストした影・光の線をすべて選択してライブペイント化する
⑥ライブペイントツールで塗っていく
ここはさっきと同じです。
線画が見えなくてやりづらい~という場合には、③の工程を省き、色を塗った後に線をダイレクト選択ツールで選択→線の色をなしにする、という手もあります。
影の色を決めるコツは、元の色をスポイトでコピーしてから、それより少し暗い色を選ぶと良いでしょう。
つやっとしたファンくんになりました!
これで完成です!お疲れ様でした!!!
(やっぱこの光いらなかったな~という場合には、ダイレクト選択ツールで線を選んでDeleteキーで消しましょう。
この時、色が変わってしまった場合にはまた塗り直しましょう。)
おわりに
これで線画(ペンツール)と塗り(ライブペイントツール)の説明は終わりです。 初心者向けということで細かく書いてみましたが、いかがでしたでしょうか・・!!
最後までお読みいただきありがとうございました!