就活生の必須科目? プランナーこそ「コミュ力」を磨くべき
目次
はじめに
お疲れ様です、プランナーのT2と申します。
好きな三国志の武将は鄧艾です。
さて。
今回は、就活生の間でよく取沙汰される、「コミュ力」についてのお話です。
「コミュ力」とは何か
略さず言うと、「コミュニケーション能力」。
アルファベットで書くと"communication"。
コミュニケーションと、ネットで検索してみると、
英単語の1つで、「伝達」「通信」「意思疎通」などの意味。 言語、身ぶり、画像などの物質的記号を媒介手段とした、精神的交流のこと。通じ合い。
といった意味の言葉であることがわかります。
たまに間違った解釈をしている人がいますが、「コミュ力」というのは、ただ会話ができたり、自分の意見を一方的に通す能力のことではありません。
自分の意見を伝え、かつ相手の意見を聞き、自分を含めた複数の人の声を正しく理解する力のことなのです。
ゲーム開発に「コミュ力」は必要なのか
一般企業の就職活動において、「コミュ力」の高さを求められる、という話をよく耳にします。
それでは、ゲーム業界ではどうなのでしょうか?
結論から言うと、めっちゃ必要です。
ゲーム業界に対して、
「高い技術力」や「センス」のある人材が求められる
といったイメージを抱いている人も多いかもしれませんが、
それらと同等か、あるいはそれ以上に、「コミュ力」は重要視されます。
なぜ「コミュ力」が必要なのか?
「コミュ力」が重要視される理由は明白で、
ゲーム開発イコール「チーム仕事」だからです。
極端に小規模なゲームや、時間的制約が少ない自主制作タイトル、そして数少ない天才クリエイターを除いて、スタッフ1人のできる仕事の範囲は限られています。
例えば私は、プログラムコードは書けませんし、絵も描けません。 仕様書は書けますし、シナリオも書いた経験がありますが、両方を並行作業するのは、すごく時間が掛かってしまいます。
ところが、商業作品の制作には、往々にして納期・締め切りが伴います。
1人のスタッフによる開発には、限界があるのです。
そのため、チームを結成し、プロジェクトとしてゲーム開発に取り組んでいくのが、一般的なやり方となります。
しかし、複数のスタッフが同時並行で作業を進めている途中で、
それぞれが思い描く「できあがり」のイメージにズレが出る
ことがあります。
それも、かなりの頻度で。
抽象的な例を挙げると、
プログラマーが5mmのネジを作っているのに、デザイナーは5cmのネジ穴を作ってしまい、それぞれ出来上がったものを合わせてみたら、全然サイズが合わない!
みたいなことが起こったりします。
(なお、こういう時にプランナーは、仕様書の単位記載漏れのミスを、把握していなかったりします)
こうした事態が延々と発生すると、開発が遅々として進まなくなり、スケジュールが遅れるハメになります。
お互いに不信感が生まれてしまうと、これはもう最悪ですね。
プランナーの仕事
上記のような、スタッフ間での連絡の齟齬・食い違いのことを、
「ディスコミュニケーション」と呼んでいます。
平易に言い直すと「コミュニケーションの不足」ですね。
はい。
ここで「コミュ力」という最初の話題にボールが戻ってきます。
上記したような認識の齟齬は、コミュニケーションを丁寧に行うことで、事前に回避可能です。
スタッフが「いま作ってるネジって、どのサイズだっけ?」ということを確認すれば、 「なんか作っているもの違っていない?」という疑問が生まれ、互いの認識を擦り合わせる機会を持つことができるわけです。
私の考えでは、プランナーの役割の1つに
「面白いゲームを構成する要素の1つ1つを、設計段階から検討し、責任もって完成まで遂行すること」
があります。
仕様書や設計書を書くのは、チームのスタッフに仕事をしてもらうための、手段の1つに過ぎません。
この役割を達成するにあたって、「コミュ力」はこの上ない武器になります。
「コミュニケーションの不足」によって問題が引き起こるならば、「コミュニケーション」によってその問題を解消、もしくは未然に防ぐことができる、というわけです。
チームの仕事を停滞させず、開発を円滑に進めるために、プランナーには「コミュ力」が必要なのです。
求められる「コミュ力」の正体
それでは、プランナーを志望する皆様に向けて、
私の考える「どんなコミュ力があれば、ゲーム制作に役立つか」を特別大公開。(ジャーン)
1. ポジティブな思考
コミュニケーションの第1歩は、人と気兼ねなく話ができることです。
吐き散らかされるネガティブに、人は心を開きません。
「なぜその機能の実装が必要なのか」 「なぜそのデザインでなければならないのか」
ポジティブな思考と話を心がけ、相手の心のドアを優しくノックしましょう。
2. 軽妙なフットワーク
開発スケジュールは常に動き続けます。
わからないこと・不安を抱えたまま、居付いて押し黙ることは時間の無駄。
軽い足取りで出かけて、意思の疎通を図って、あなたを覆う不安の雲を晴らしましょう。
3. 相手の気持ちをよく考え、推し量る
上に挙げた1と2の例ですが、行き過ぎると失礼なコミュニケーションになることも…
人はそれぞれ異なる意見や考え方を持っていますし、プライドだってあります。
そもそも仕事がすごく溜まっていて、聞く耳を持つ時間すらないかもしれません。
そうした時は、慎重に考えて、コミュニケーションの内容を選ぶことも、重要になるのです。
4. 最終目的は常に1つ!
私たちの最終目的は、最高のエンターテインメントを作り出し、お客様を喜ばせることです。
それは不変の事実であり、どんな仕事をしていても、それを決して忘れてはいけません。
もし、その目的に背くような類のコミュニケーションを取らなければならない…
そんな時は立ち止まり、もう一度考え直してみる時間が必要なのです。
まとめ
ゲーム開発者に「コミュ力」は必要。開発=チーム仕事だから
プランナーには特に必要。チーム仕事を遂行させるのが役割だから
ポジティブに、アクティブに。冷静さと情熱も忘れずに!