プランナーの腕の見せどころ!「レベルデザイン」について
目次
- 目次
- ごあいさつ
- 「レベルデザイン」とは?
- 難易度という意味でのレベデザについて、例を挙げて考えてみる
- ■CASE.A「初心者向けクエストの1バトル」
- ■CASE.B「上級者向けクエストの1バトル」
- 世界観からくるレベデザについて、例を挙げて考えてみる
- ■CASE.C「世界観設定がはっきりしている場合」
- ■CASE.D「世界観設定が曖昧な場合」
- 総括
ごあいさつ
はじめまして。
株式会社アールフォース・エンターテインメント プランナーの横角です。
好きなダメージは「高高度攻め継300ダメージ」です。
今回の記事では、プランナーの業務の中でも、
学生の方にはあまり馴染みがない「レベルデザイン」について、
具体例を交えてご紹介させていただきます。
就活生、特にプランナーを目指している人向けに、
実際の業務をイメージする助けになれれば幸いです。
「レベルデザイン」とは?
まずはじめに、「レベルデザイン」とはなんなのか?
よく略して「レベデザ」というものですね。
これは非常に幅広く使われる言葉で、
・RPGにおける、キャラの強さや使うわざ
・アクションゲームにおける、マップの広さや宝箱の場所
・リズムゲームにおける、ノーツの位置
などなど………
本当に、とてもとても多岐にわたって使われます。
それもそのはず、上記では「RPG」「アクション」「リズムゲーム」と例を挙げましたが、
「ゲームの内容によってデザインしなくてはならない項目がガラッと変わるから」というのが大きな理由です。
また、プレイステーションなどのハードで遊ぶ買い切りのゲームなのか、
スマートフォンで運営されているアプリゲームなのかによっても、
ゲーム性は大きく異なり、デザインしなくてはならない項目は変化してしまいます。
なので今回は「スマートフォンアプリゲーム、コマンド選択式RPG、ある1バトルのデザイン」
という条件を設けたうえで、具体例を挙げて、実際にレベデザを行ってみましょう。
(某F●O的なものを想像して頂ければ分かりやすいかと思います。)
難易度という意味でのレベデザについて、例を挙げて考えてみる
さっそく、難易度についてデザインしていきましょう。
ここはプレイヤーのストレスに直結する部分で、
絶対に失敗できない最重要なポイントといっても過言ではありません。
ドラ●エの最初の敵はスライムですし、ポ●モンの最初の敵は同レベルのライバルです。
これがダークド●アムだったり、ミュ●ツーだったりしたら
そこでゲームを辞めてしまいますよね。冒険終了!
ここで重要となるのは、「難易度」というものを観測するのは誰なのかです。
それはレベルデザインをしている自分ではなく、
もちろんそれを指示、監督しているリーダーでもディレクターでもなく、
そのゲームを遊ぶプレイヤーひとりひとりです。
ですが、スマートフォンで運営されているアプリゲームの場合には、
始めた時期やプレイの頻度、課金の量で、プレイヤーごとに立場が違います。
そして、
全プレイヤーに等しく同じ体験をしてもらえる「難易度」をデザインすることは、
基本的には不可能です。
(某ファイナルファン●ジー8などで採用されている、
自分のパーティのレベルに応じて敵の強さが変化するシステムなんかでは、
理論上はこれを実現させることも可能です。
しかし「よりプレイしたから強くなれた」「より課金したから強くなれた」という感情は
アプリゲーム運営の上で不可欠なため、この部分を疎かにする場合がある前述のシステムは、
今回は考慮から外します。)
では一体どうするのか、ということですが、
先述した「プレイヤーひとりひとり」というのものを可能な限り想定したうえで、
ターゲットユーザーを仮想して設定します。
(マーケティング用語に「ペルソナ」というものがありますが、
それを調べていただくとわかりやすいかと思います。)
それに基づいて、いくつかの段階分けをしたうえで、
バトルを設計していきます。
この段階分けが、いわゆるアプリゲームでよくある
「初級・中級・上級・超級」といった難易度分けになります。
では、実際にレベデザをする際の考え方や、作業をご紹介します。
■CASE.A「初心者向けクエストの1バトル」
■CASE.B「上級者向けクエストの1バトル」
世界観からくるレベデザについて、例を挙げて考えてみる
さて、上記の工程を踏むことで、強さはちょうどよくなります。
ですが、レベルデザインとは、
ただ「プレイしててストレスを感じないように数値をいじること」ではありません。
プランナー、ひいてはゲームクリエイターの仕事は、
「ゲームに入り込んでいるプレイヤーの体験・感情」をデザインすることです。
・そこで現れる敵は、どんな見た目の敵なのか
・その敵は、どんな行動をとるのか
など、よりプレイヤーをゲームに没入させるための工夫を凝らす必要があります。
(本来であれば、これは強さのレベルデザインより前にやらなくてはならない工程ですが、
あくまで1バトルをデザインするということで、わかりやすいように順序を逆にしています。)
では、さっそくこちらもやっていきましょう。
■CASE.C「世界観設定がはっきりしている場合」
■CASE.D「世界観設定が曖昧な場合」
総括
今回は、いくつかの条件付けをしたうえでのレベルデザインの方法と
その際の思考についてご紹介させていただきました。
CASE.AとBでの強さのデザインと、CASE.CとDでの世界観からくるデザインを
うまくミックスさせることで、レベルデザインを成り立たせる方法です。
ただ、あくまで条件を絞った上での、ミクロな視点での話になっているので
例えば、クエストを周回させるようなイベントをデザインする場合には
「どれくらいのパーティがあればどれくらいの速度で周回出来るのか」
「どれくらいの周回で、どんな報酬が得られるのか」
など、デザインのための要件や領域は拡がっていきます。
上記の理由から、条件やゲームジャンルを限定しない形でまとめますと、
プレイヤーは、挑戦する時点でどのような状況、状態なのか
プレイヤーは、どのような欲求からそのゲームに挑戦するのか
ゲームにプレイヤーを没入させるためには、どのような工夫を凝らせばよいのか
これらを意識することが重要となります。
この記事が、ゲームプランナーを目指している方、特に学生や就活生の皆様にとって
レベルデザインについての知見を広げるきっかけになれれば幸いです。
以上、ありがとうございました。