企画書の書き方【おまけ】

お世話になっております。いつも世界平和を願っている、RFプランナーのあもんと申します。

「企画書の書き方」シリーズは今回が最終回となります。これまでの記事で書けなかった企画書作成のちょっとしたコツや、就活企画書の実例として私が就活で作った企画書を掲載したいと思います。

ちょっとしたコツ

■文章は全てポジティブに書こう!

面白いところ、楽しいところを面白そうに、楽しそうに書きましょう。 ゲーム内容の説明部分については、すべての文の最後に「~となっているから面白い、楽しい。」という一文を省略してるつもりで書くとよいです。

また企画書は仕様書じゃないんで、ゲーム的なバランスを取るためのデメリット部分については書かずに済むなら省いた方がよいです。

×:高火力の必殺技が使えるが、HPが減少する   ←「企画書」にはいらない
○:すごいダメージを与える必殺技が使える!     ←「ウリ」を示すにはこれで十分

「○○できない(不可能) 」「△△しなければならない(強制) 」などのネガティブ表現は避けるよう意識しましょう。 バーベキューとか投げてきそうなパリピやら陽キャになったくらいのテンションでポジティブに書きましょう。(へいへいへいへいへいへいへいへいへーい!)

■誇張はOK!でもハッタリはNG…

取引先に好印象を持たれたいとか仕事を取りたいあまりに、企画書に実現が難しいハッタリシステムを書いてしまうのは相当に危険なのでやめておきましょう。

企画書は「こういうものを作ります」という契約書類なので、書いてる内容は基本的に「やること」となり、逆にやらなかったら「契約違反」になります。 ハッタリ文章をうっかり1行書いてしまうと、開発者全員が死の向こう側へ行くことになりますのでくれぐれも控えましょう。

■できればマーケティングのことも書いておこう!

「世の中でこういうものが流行ってるから、このゲームは売れる!」というようなマーケティング的な強さがある企画でしたら、ゲーム内容やシステムを細かく説明するよりもマーケティング資料を載っけといた方が断然よいです。

先方に出す企画書などは基本的にビジネス文書なので、お金の話しがちゃんと書いてあった方が説得力があります。 ただあくまでゲームの企画書ではあるためお金の話しばかりだと面白くないので、ゲームの面白さ部分は削り過ぎないようにしましょう。

■詳細を書ききれなかった箇所は、基本全部つっこまれると思っておこう!

企画の審査に関わっている人は(一部を除いて)世の中で発売されているほぼ全てのゲームにとても詳しいです。 なので「ここが新しい」とか言っておきながら実は他のゲームですでにあるシステムだったり、内容に矛盾点があったりしたらほぼ100%突っ込まれると思っておきましょう。

スルーされることも普通にありますが基本全部つっこまれると思っておいて損はないです。

■ゲームの面白さと商品としての価値について ※自分に対する戒め①

企画に対してお金を出す人は面白そうな企画だからお金を出すのではなく、「ユーザーが買ってくれそう」で面白そうな企画だからお金を出す。ということを忘れないようにしています。

企画書に対するビジネスとしての最優先事項は・・・ 「ユーザーを裏切らずに、むしろユーザーに支持されて、その支持はお金というかたちでユーザーに支えて頂ける。」要は稼げるかどうかであって、 ちょっと夢のない言い方になりますが企画(ゲーム)そのものが面白いかどうかが必ずしも最優先ではない。という現実があるのです。

■ゲームという「商品」を作るための考え方 ※自分に対する戒め②

そのため「少数の人が熱狂的に支持してくれる」タイプの企画は、基本的には「商品」としては成立しません。 そういう企画書の多くは「ユーザーを喜ばせたい」よりも、企画した人が作りたい、企画した人が誉められたいだけの方向に寄りがちです。 そんな人にお金を出してくれるユーザーはまずいませんので(余程の有名なクリエイター作品であれば別ですが) 、ユーザー第一で考えられてない企画は仕事ではありません。

企画を立てるときは「自分はこういうものが面白いと思う、作りたい」を最優先事項にはせず、「多くのユーザーが共感して楽しんでくれる→それによって出資者が潤う→開発会社が利益を得る→開発者、企画者がユーザーと出資者の評価を受け喜ぶ」という流れを意識するようにしています。

ゲーム制作者が喜んでいいタイミングは「企画が通った」や「案が採用された」やらの事柄ではなく、あくまでユーザーに対して結果を出せた後だと思っています。

最後に

以上までが、私がお仕事で企画書を作る際のあれこれとなります。改めて書いてみると学生さんが就活で作る企画書とは、かなり考え方が違いますね。

学生さんの作る企画書はここまであれこれ考えなくても大丈夫です。就活で作る企画書はおそらく自由形式のものが多く何を作ったらよいのか迷うと思いますが、言い換えれば何を作ってもよいということなので、各々が持つアイデアを自由な発想でぶつけてよいかと思います。

おまけ

もしこれを読んでいるのが学生さんで、もしゲーム会社を志しているとしたら、学生さんが作る企画書はどのようなものが良いのでしょう? この答えは正直わかりません…わかりませんので何かの参考になることを願って、実際に私が2008年度入社の就活で作った企画書の、二つうちの一つを載せておきたいと思います。

この企画書の良し悪しはぜひ各々がご判断をし、この企画書を踏み越えて独自のノウハウを築く糧にして頂けますと幸いです。踏む時はやさしくお願いします。ちなみにもう一つの企画書はファンタジーRPGでした。

f:id:rf-blog-sagyo:20211109165003j:plain

この企画書で何社か面接には進みました。戦績は以下のような感じです。正直、履歴書でも相当ハッタリかましたので企画書だけで判断されたとは一概には言えません。

【戦績】

某大手ゲーム会社A ⇒ 役員面接で落ちる
某大手ゲーム会社B ⇒ 一次面接で落ちる

某中小ゲーム会社A ⇒ 書類選考で落ちる
某中小ゲーム会社B ⇒ 一次面接で落ちる
某中小ゲーム会社C ⇒ 書類選考で落ちる
某中小ゲーム会社D ⇒ 書類選考で落ちる
某中小ゲーム会社E ⇒ 書類選考で落ちる
某中小ゲーム会社F ⇒ 内定

それでは皆様の就活に幸あれ!ということで締めさせて頂きます。

最後までお読み頂きありがとうございました!