企画書の書き方【後編】
お世話になっております。前回「企画書の書き方」という記事を書かせて頂いた、RFプランナーのあもんと申します。 今回の記事は前回の続きとなります。
前回の記事では私が企画書を書く際に大切にしていることを書きましたが、今回は実際にどのような流れで企画書を書いているかを伝えられればと思います。
企画書ができるまでの流れ
企画書を書く際には、大体このような流れで作っています。
この辺の手順は人によって違うので、自分がやりやすい手法を探してみましょう。
企画書の構成
その企画書を「誰に出すのか」「どういうレベルのものが要求されているのか」は状況によって変わってくるため、それによって書く内容、ボリュームも変わります。ただ大体は以下の要素を満たすように作っていきます。
企画書の各要素
■表紙/タイトル
1.「企画書」または「企画概要書」:表紙のどこかに書きます。この書類が何であるかを示すのに必要です。
2.日付:作成年月日。企画書のバージョン更新があったらそのたびに入れなおします。
3.タイトル/タイトルロゴ:タイトルロゴを載せます。タイトル正式に決定してない際は(仮)をつけます。
4.社名または個人名:
社外向けのオリジナル企画 ⇒ 株式会社アールフォース・エンターテイメント/R-FORCE ENTERTAINMENT」
社内で回覧する企画 ⇒ 「部署名・個人名」
■コンセプト
1.コンセプト:
目を引く、勢いのあるメインコンセプト(キャッチフレーズ)を入れる。
できるだけ堂々と!派手に!楽しげに!
2.サブコンセプト:サブコンセプトを入れて、コンセプトのイメージをより具体的にする。
■ゲームデータ
ゲームの基本データ。今回は表紙に載せていますがコンセプトページに載せることもあり。
大体以下のような情報を書いておきます。
・タイトル:タイトル名+(仮)。英語タイトルがあれば併記
・ジャンル:内容を的確に示しイメージが膨らむように書きます。最近は独自のジャンル名をつけることも多い。
・対応ハード:あれば具体的に、なければ「未定」かカテゴリ(アーケード、携帯ゲーム機等)を書きます。
・プレイ人数:昨今はオンライン対応のありなしが重要なので、明記しておきましょう。
・マネタイズ:最近は販売形態や利益の出し方も多様化しているため、ここに書いておきます。
その他「ターゲットユーザー」「想定プレイ時間」等、ゲーム内容に応じて必要そうなものがあれば追記します。
■世界観の概略説明
世界観は企画内容を理解しやすくするためにのみ挿入します。
キャラ性主体のゲームなら、ここにキャラクター紹介も含めます。
設定好きの人はここをやたらと長く書いてしまいがちですが、あくまでゲーム内容への
フックのために書くものなので、必要な情報を的確に伝えることを第一とします。
書く内容については5W1Hを基本とし、「いつ」「どのような世界で」「誰が」「どうやって」
「何をする」のかをコンパクトに表現します。
この中では特にプレイヤーの目的意識(なぜそれをするのか、しなければならないのか、
した方がいいのか)を明確にすることが大切です。
■基本ゲームシステム
ゲームの基本的な「ゲームフロー」「ゲームルール」「画面構成」「操作」をなどを記載します。
システムやルールを文章で全て説明することはほぼ不可能なので、画像を多く盛り込んで可能な限り
ゲームのビジュアルやプレイ感覚を読んだ側が具体的にイメージできるようにすることが大切です。
特に「画面イメージ」はほぼ必須です。これがあるとないとでは企画書から感じられる具体性がかなり違います。
■応用ゲームシステム
基本ゲームシステムから派生する面白さの説明。つまり「ゲームとしてのウリ」の部分となります。
「ここが特徴」「これが新しい」「こうすると面白い」「こうすると派手だ」など、プレイヤーや
クライアントがこのゲームに価値を見出せる部分を提示します。
例えば、
破壊系アクションゲームであれば「いかにして破壊するか」「破壊するとどんな派手な場面になるのか」。
シナリオ、雰囲気系のゲームなら「どんなイベントが発生し、どんな感動的な場面が展開するのか」。
カードゲームなら「どんなカードの遊びがあるのか」「どのような組み合わせでシナジーが起こるか」。
などなどです。
■ステージ構成
ゲームスタートからクリアまでの展開と各ステージの設定を説明することで、読む側がゲームの
全体像を把握できるようにする役割があります。
また、全ステージ数が分かることで、開発時のゲームのボリュームを把握するという意味もあります。
各ステージの具体的な内容が決まってなかったとしても、以下の3点は押さえておいた方がよいです。
・どんなイメージのステージがあるのか
・どんな展開でゲームが進むのか
・全部でおよそ何ステージあるのか
■ネットワーク要素
最近のゲームでは、ネットワーク対応は検討しておかなければならない要素になっています。
もし想定しているのなら、応用ゲームシステムの後のページくらいで説明しておきましょう。
あえて「なし」にするにしても、考慮自体はしておいた方がよいです。
■〆のページ
ステージ構成までで企画書の要素としては十分なのですが、終わり方がぼやけた感じにならない
ように「ここで企画書は終わりです」という〆のページを最後に挿入すると企画書が締まります。
会社によっては最後のページに「以上。」とだけ書かれているのがフォーマットになっている
ところもあるので、それに習ってみるのもよさそうです。
また決まっていれば「エンディング+クリア後のやりこみ要素」を説明するページを入れるのもよいです。
ゲーム内のシステムの説明から外枠の説明へ移行することによって、読み手が「説明の終了」を意識できます。
まとめ
以上までが企画書の書き方の説明となります。 企画の内容によっては必ずしもこの書き方がベストという訳ではありません。
例えばシナリオや雰囲気重視のゲームであれば、「コンセプト」よりも先に「世界観」を説明した方が良いこともあります。 システムがシンプルなゲームであれば、基本システムと応用システムのページは一緒にした方が良くなることなどもあります。
企画の内容や状況に応じて、それぞれ最適な「より楽しく」「より見やすい」書き方を目指してゆくことが大切ですね。